07-Apr-2023 • by Heidi Gabrielson
可観測性とモニタリングの違いとは?
可観測性とモニタリングはIT運用分野において関連する概念ですが、同じものではありません。 モニタリングは、ネットワーク、アプリケーション、インフラストラクチャ、ユーザーエクスペリエンスデータからデータを収集して分析し、問題や異常を検出する手法のことです。モニタリングでは通常、しきい値アラートを設定し、問題が発生したときに運用者または開発者に通知されるようにします。モニタリングの目的は、可用性、パフォーマンス、使用状況に関するインサイトを得ることです。 可観測性はモニタリングをさらに一歩進めたもので、単にシステムの入出力をモニタリングするだけではなく、システムの内部動作を把握することを重要視します。可観測性にはデータをより詳細なレベルで収集、分析することが含まれ、システムの動作を包括的に捉えるため完全に忠実なクロスドメインデータが必要です。可観測性の目的は、問題が起きた後に対応するのではなく、問題を事前に検出して解決できるようにすることです。 [caption id="attachment_20758" align="alignright" width="300"] モニタリングは可観測性の一部[/caption] つまり、可観測性とモニタリングは、同じコインの表と裏のようなものです。モニタリングによりシステムの基本的な可視性が得られ、可視性によりパフォーマンス状態をより包括的に把握することができます。可観測性はこれをさらに一歩進め、システムの内部動作を把握することにより、全体的なパフォーマンスと信頼性を改善します。 可観測性とは? 可観測性とは、さまざまな分野、とりわけエンジニアリング、コンピューターサイエンス、システム分析の分野で使用されている概念です。システムまたはプロセスの内部動作を、生成されるデータや情報を基に把握して分析する能力を意味します。基本的には、システムで起きていることを観察、測定できる度合いです。 コンピューターサイエンスでは、可観測性はソフトウェアとアプリケーションの開発によく関連付けられます。アプリケーションログ、メトリックス、トレースなど、さまざまなソースからデータを収集して分析し、複雑なソフトウェアシステムをモニタリングしてデバッグする能力を提供します。このようにして、開発者はソフトウェアの問題を特定して解決し、全体的な品質とパフォーマンスを改善します。 リバーベッドのRiverbed Unified Observabilityは、可観測性の概念を、ネットワーク、インフラストラクチャ、アプリケーション、ユーザーエクスペリエンスを含むすべてのITシステムに拡大します。完全に忠実なデータ、分析、相関、インテリジェントな自動化を活用して、パフォーマンスとセキュリティの問題を迅速に特定し解決するのに役立つコンテキストデータを収集します。 概して可観測性とは、複雑なシステムとプロセスの内部動作に関するインサイトが得られる極めて重要な概念であり、システムやプロセスのパフォーマンス、信頼性、全般的な有効性を改善するのに役立ちます。 モニタリングとは? パフォーマンスモニタリングとは、必要なパフォーマンスレベルまたはSLA (サービスレベル契約) を満たすようにするため、コンピュータシステム、ネットワーク、アプリケーションなどのシステムまたはプロセスのパフォーマンスメトリックスの追跡と分析を行うプロセスです。これには、応答時間、スループット、エラー率といったさまざまなメトリックスのモニタリングも含まれ、それらを事前に定めたベンチマークまたはしきい値と比較します。 パフォーマンスモニタリングの目標は、応答時間の遅延、高いリソース使用率、システムのクラッシュといったパフォーマンスの問題を特定して診断し、解決のための適切な措置を取ることです。これには、システム構成の調整、ハードウェアまたはソフトウェアコンポーネントのアップグレード、コードまたはアルゴリズムの最適化が含まれます。 パフォーマンスモニタリングは、システムとプロセスが効率的に機能するようにするだけでなく、顧客満足度と事業継続性を維持するためにも必要不可欠です。一般的に、IT、通信、金融、医療、製造などの業界で、重要なシステムとアプリケーションのパフォーマンスをモニタリング、最適化するために使用されています。 可観測性とモニタリング: その違いとは? 可観測性とモニタリングはどちらもIT運用における重要な概念ですが、その意味はわずかに異なります。 ...